総合凡例
調査の方針について
このサイトでは、鋼索鉄道、索道と無軌条電車を除く日本の鉄道の配線を調査した結果を路線別に公開しています。
配線略図に描くものは、基本的に以下の線路または設備です(一部の特集記事など例外もあります)。
- 本線(列車の運転に常用される線路)
- 側線(本線でない線路) ただし本線に接続されている線路に限る
- 線路に係る諸設備(プラットホーム、車止め、建屋、転車台など)
したがって、現在全く使用されていなかったり、保線車両の留置のみに使用されていたりする線路も描いています。また、各線路の詳細な使用目的(○番線、上り本線など)は煩雑となるため調査していません。
線路のカーブやホーム・側線等の有効長は、作図上の都合や図の見やすさを重視して反映していないところがあります。ただし、分岐器の直進側・分岐側の区別は正確に反映しています。
配線略図の記号等の凡例
配線略図で使用している記号は以下の通りです(いずれも作者独自の記号です)。なお、電化方式や軌間は線の色や太さで区別しています。
特に断りなく使用する記号
特に断りなく使用する記号(線路)電化方式/軌間 | 1067mm | 1435mm |
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架空電車線方式直流1500V電化 | | |
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架空電車線方式交流20kV電化 | | |
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架空電車線方式交流25kV電化 | なし | |
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非電化 | | |
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特に断りなく使用する記号(その他)記号 | 名称 | 備考 |
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| 旅客ホーム | 極太線,線色#000000 |
| 貨物ホーム | 極太線,線色#404040 |
| 二重線側は乗降不可 | |
| ホーム柵(ホームドア等)*1 | |
| 三線軌条*2 | |
| 片開き分岐器 | |
| 両開き分岐器(振り分け分岐器を含む) | |
| 両渡り付交差(ダブルスリップスイッチ)*3 | |
| スプリングポイント*4 | |
| 横取装置*5 | |
| 乗越分岐器*6 | |
| トラバーサー | 細線,線色#000000,線内#BFBFBF |
| 転車台 | 細線,線色#000000,線内#BFBFBF |
| 建屋 | 細線,線色#000000 |
| 線路終端 | 細線,線色#000000 |
*1 可動式ホーム柵(ホームドア)はホームと線路の間に実線、固定式ホーム柵はホームと線路の間に破線を描きます。なお、2016年頃以前の配線略図には記載していない場合があります。
*2 二重線の色や太さは対応する軌間・電化方式の線路に準じます。ただし、軌間の広い方の線を、三線軌条のレールが2本ある側に描くものとします。
*3 片渡り付き交差(シングルスリップスイッチ)の場合も同様に、交差の片渡りがついている側に線を描きます。
*4 反位側の線路に矢印を付して記載します。なお、2016年頃以前の配線略図には記載していない場合があります。
*5 横取装置(保守用車の転線に用いられる装置)のうち、分岐器状の構造をするものに限り記載します。レールを乗り越える側の線路に実線を引いて記載します。
*6 本来は乗越ポイント及び乗越クロッシングを用いた分岐器を指しますが、当サイトではポイント部とクロッシング部のいずれか一方が乗越ポイント/クロッシングとなっているものはこの記号で表します。定位側の線路に実線2本を付して記載します。なお、2021年頃以前の配線略図では横取装置の記号で記載している場合があります。
その都度凡例を設けて定義する記号
その都度凡例を設けて定義する記号記号 | 名称 | 備考 |
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| 電化線路*7 | 線幅1.5pt,線色#C00000 |
| 非電化線路*7 | 線幅0.5pt,線色#C00000 |
*7 電化方式、軌間についてはその都度凡例を設けて定めます。
その他特殊な設備については、その都度配線略図中に凡例を設け、新たな記号を定義します。
なお、紛らわしい設備については次の通り記載しています。
- 原則としてレールが2本あれば線路として記載し、その線路が現に使用されているかどうかは考慮しません。枕木や砕石により車止めが設置されている場合も、レールが繋がっていれば線路として記載します。ただし、レールの締結装置が外されている、コンクリート製の容易に移動できない車止めが設置されている、踏切等でレールの上にアスファルトの舗装がされていたりフランジが通る隙間がコンクリートやアスファルトで埋められている等明らかに車両が通行できない状態にある場合は、線路が繋がっていないものとして記載します。
- 電化の有無は架線があるかどうかにより判断し、明らかに通電していない場合であっても架線があれば電化線路として記載しています。
- 乗越分岐器や横取装置(分岐器状の構造をするもの)のレールを乗り越える側の線路は、架線の有無にかかわらず非電化とみなします。
- 石油などの荷役設備は、貨物ホームとして記載することがあります。
- ホームを転用して保線材料の荷役ホームに転用している場合は、ホームとして記載しません。
- 「乗降不可」とは、柵(開閉可能ではあるが平常時は閉じている固定柵を含む)により閉鎖されている場合やホームの片側が削られている等明らかに旅客の乗降に適さない場合を言います。単に乗り場の案内がなかったり、ロープ等で閉鎖されているのみの場合は通常のホームとして取り扱います。
- いわゆる脱線分岐器(クロッシング部がなく、トングレールのみの分岐器)は、トングレールの構造に応じて通常の分岐器や乗越分岐器として記載します。なお脱線器は記載しません。
- 転轍機標識のないポイントはスプリングポイントでないものと推定します。もちろん、実際に反位側からトングレールを割り出して列車が運行されている場合を除きます。
路線名表記について
鉄道路線名は電気車研究会発行の『鉄道要覧』に基づき、「事業者名+路線名」の形で表記しています。ただし、実際の旅客案内などの実情をふまえ、以下の要領で略記している場合があります。
- JR7社の路線については、会社名を省略し路線名のみとします。
- 東京地下鉄、東京都交通局の路線については、線名の「○号線」を省略します。例えば、「東京都交通局1号線浅草線」は、「東京都交通局浅草線」とします。
- 路線名中に会社名(略称を含む。)が含まれている場合は、路線名中の会社名を省略します。例えば、「小湊鉄道小湊鉄道線」は「小湊鉄道線」とします。
なお、各版のページ末尾の路線名の欄には全て鉄道要覧上の名称で表記しています。
停車場・現業機関名について
配線略図には、停車場名を記載するほか、車両基地・工場など現業機関名および専用線名を記載することができるものとします。
停車場は、駅、信号場および操車場とし、下記の基準により記載します。
- 『鉄道要覧』にその路線の駅として記載されている駅は、記載します。
- 前項のほか、その路線の本線(列車の運転に常用される線路)上にプラットホームまたは場内信号機もしくは出発信号機のある停車場は、記載します。(例:東海道本線の大崎駅、中央本線の山王信号場)
- 前二項のほか、配線略図にプラットホームまたは場内信号機もしくは出発信号機の設置されている本線である線路が記載されている場合は、停車場名を丸括弧でくくって記載します。(例:常磐線の上野駅、東海道本線の山王信号場)
現業機関名については、下記の基準に従い原則として車両基地および工場の名称を記載しています。
- 現業機関の存否及び名称は原則として公式の資料に従います。
- 車両配置のない車両基地など、公式の資料で確認が難しい場合はWikipediaの記述に従います。
- 前二項にかかわらず、労組資料など非公式の信頼性のある資料や現地の表札等の目撃情報で現業機関の設置・廃止・改称などが判明した場合は、反映することがあります。
専用線(専用側線・専用鉄道)名については、設置企業名・事業所名を記載します。ただし、専用線の一覧はここ数十年の間公表されておらず正確な記述が困難な現状があります。当サイトでは下記の基準に従い記載しておりますが、正確な記載となっていない可能性もありますのでご了承ください。
- 専用線の存否及び名称については、昭和45年10月現在の専用線一覧表をもとにその後の合併等に伴う企業名・事業所名を反映したものを記載しています。
- 日本製紙石巻工場専用鉄道(仙石線石巻港駅)、日立製作所国分工場専用鉄道(常磐線常陸多賀駅)、三井埠頭専用鉄道(鶴見線扇町駅)、総合車両製作所横浜事業所専用鉄道(横須賀線逗子駅)、関西電力専用鉄道(黒部峡谷鉄道黒薙駅・欅平駅)、日本総合リサイクル専用鉄道(氷見線伏木駅)、川崎車両神戸本社専用鉄道(山陽本線兵庫駅)、JFEスチール西日本製鉄所福山地区専用鉄道(山陽本線東福山駅)、日立製作所笠戸事業所専用鉄道(山陽本線下松駅)、日本製鉄九州製鉄所八幡地区専用鉄道(鹿児島本線黒崎駅)は「専用鉄道」と、その他は「専用線」と表記します。これらは最後に専用鉄道の一覧が掲載された『鉄道要覧平成7年版』に「専用鉄道」として掲載されている線路(合併等で名称が変わったものを含む)です。
※2023年4月現在、上記の例に従った表記でない配線略図があります。順次修正していく予定です。
停車場名表記について
停車場(駅、信号場、操車場、停留場)は本文中では「東京駅」「新鶴見信号場」などのように「駅」「信号場」などを付けて表記しています。配線略図中では区別のため他の文字より大きく表記し、スペースの関係上以下のように略記しています。
| 配線略図中の表記 | 例 |
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駅 | 無表記 | 東京 |
信号場 | (信) | 新鶴見(信) |
操車場 | (操) | 高崎(操) |
停留場 | 無表記 | 王子駅前 |
*田端信号場駅、新小岩信号場駅など、駅名に「信号場」などがつく駅については、上表の駅の表記法を適用し、配線略図中では「田端信号場」「新小岩信号場」のように表記します。
*上表のほか、「貨物ターミナル駅」は「(タ)」と略します。例えば、東京貨物ターミナル駅は「東京(タ)」とします。
停車場名の表記は原則として電気車研究会発行の『鉄道要覧』に基づき、また同書に掲載されていないものについてはWikipediaの項目名を採用しています。ただし、以下の例外があります。
- 英数字は全て半角で表記します(例えばJR難波駅は「J」が半角、「R」が全角で表記されるなど、『鉄道要覧』における表記が安定しないため。また、Webサイト上の可読性を高めるため)。ただし、漢数字は『鉄道要覧』およびWikipedia上の表記でそのまま表記します。
- 岳南電車岳南線の吉原~吉原本町間にある駅は「ジヤトコ前」と表記します。
配線略図中の路線名・停車場名については、英語を併記しております。英語表記は原則として各鉄道会社の広報物や現地の駅名標の表記に従っていますが、下記の基準により記載しています。
- ローマ字の表記はヘボン式によります。また、「m」「p」「b」の前の「ン」の音は「m」で表記します。(例:新橋駅 Shimbashi)
- 単語の最初の文字及びハイフン(-)の直後の文字は大文字とし、その他は小文字とします。ただし、発音の便宜上区切っているに過ぎない場合および「の」などの助詞や「前」などは小文字で表記することがあります。(例:磐越東線 Ban-etsu East Line、海ノ中道駅 Umi-no-Nakamichi、成城学園前駅 Seijogakuen-mae)
- 貨物駅、信号場など公式な英語表記が確認できない場合は、Wikipediaの表記や作者が任意に英訳した表記を用いることがあります。
- 信号場は「Junction (Jct.)」、操車場は「Yard」と訳します。
配線略図の分割・統合・重複掲載
配線略図は原則として路線別としています。例えば南武線が主たる区間である川崎~立川間の他に尻手~浜川崎間などの支線を持つように、区間が複数ある場合でも同一ページ上に掲載しています。ただし、JRの路線で路線長が200kmを超える長大なもの及び、複数の旅客鉄道会社にまたがるものは、複数のページに分けることがあります。その際は、「○○線(××~△△)」というページを複数設け、主たる区間のうち××~△△間とその周辺の支線を収録します。ここで、「××~△△」はそのページの代表となる区間を表すので、収録している区間はこれに限られません。例えば、東北本線は次のように分割します。
配線略図名 | 収録区間 |
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東北本線(東京~黒磯) | 東京~黒磯、日暮里~尾久~赤羽、赤羽~武蔵浦和~大宮 |
東北本線(黒磯~仙台) | 黒磯~仙台 |
東北本線(仙台~盛岡) | 仙台~盛岡、長町~宮城野~東仙台 |
また、原則として第一種鉄道事業者・JR貨物を除く第二種鉄道事業者の路線はそれぞれページを作りますが、第三種鉄道事業者の路線は独自のページを設けず、第一種鉄道事業路線のページなどに合わせて掲載します。例えば、成田空港高速鉄道線のJR成田線分岐点~成田空港間は「成田線」の配線略図に収録しています。ただし、次のような例外があります。
- 海峡線は第一種鉄道事業路線ですが、独自のページを作らず北海道新幹線の配線略図に掲載します。
- (JR東海の)城北線は第一種鉄道事業路線ですが、独自のページを作らず東海交通事業城北線の配線略図に掲載します。
路線によっては、実際の運行形態や図のレイアウトなどを考慮して、当該路線以外の区間を配線略図に収録することがあります。例えば、「中央本線(東京~塩尻)」配線略図には中央本線の他に東北本線の東京~神田間(一部線路のみ)、山手線の代々木~新宿間も掲載しています。