はじめに
2026年7月6日、成田空港アクセス鉄道に関して、京成・JR双方の単線区間を複線化し、東成田駅北東側に3面5線の高架新駅を新設するという大規模な計画が公表されました。
本記事では、この構想の背景となった検討会の議論を振り返りつつ、将来の配線がどのような姿になるのかを予想してみます。
2026年7月6日、成田空港アクセス鉄道に関して、京成・JR双方の単線区間を複線化し、東成田駅北東側に3面5線の高架新駅を新設するという大規模な計画が公表されました。
本記事では、この構想の背景となった検討会の議論を振り返りつつ、将来の配線がどのような姿になるのかを予想してみます。
「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」は、成田空港の空港施設整備や機能強化について幅広い関係者による議論を行うために設置された国土交通省の検討会です。委員には学識者や国交省・自治体幹部、航空会社・空港運営会社・鉄道会社関係者が名を連ね、成田空港の旅客・貨物取扱施設の増強や空港アクセスの改善に関する議論が行われました。
旅客・貨物ターミナルの議論については当サイトの守備範囲外のため、ここでは第1回~第4回の検討会における議論内容のうち空港アクセス鉄道に関するものをまとめます(長くなりますので、適宜読み飛ばしてください)。
このように、「中間とりまとめ」では単線区間の複線化や駅の取扱能力強化が課題として示されているものの、具体的な方策については記載がありません。一方、「最終とりまとめ」では事前の予想を大きく上回る規模で、高架新駅の建設や単線区間のほぼすべての複線化が一気に具体化しました。
中間とりまとめの「折返し機能」の増強という文言から、当時は羽田空港のような引上線の新設も有力な選択肢であったのではないかという印象も受けます。この時点で、1年後に3面5線の立派な高架新駅を作る方針が決まると予想していた関係者はどれほどいたのでしょうか。また、2026年2月に発表された新鎌ヶ谷~印旛日本医大間の複々線化については、最終とりまとめでは大々的に言及されているものの、中間とりまとめ以前はその必要性すら議論された形跡がなく、かなり最近になって具体化した構想である可能性があります(検討会に北総鉄道関係者も呼ばれていません)。
今回発表された壮大な構想が、いったいどのような経緯で決定されたのか。それも気になるところですが、本記事で問題にしたいのはこの構想が実現した場合に成田空港アクセス鉄道がどのような姿になるのかというところです。次章以降では、公表された資料をもとに京成電鉄・JR成田線の各配線略図を予想してみたいと思います。
まず、京成成田スカイアクセス・京成本線の予想配線略図です。最終とりまとめの記述や掲載の断面図・地図によると、東成田駅の北東側に3面5線の高架新駅が新設され、既存の空港第2ビル駅・成田空港駅から線路が切り替えられること、3面5線のうち少なくとも一部を京成本線と成田スカイアクセスが共用し、両線が連絡線で接続されていること、成田スカイアクセスの単線区間がすべて複線化されることが確定しています。3面あるホームのうち2面をスカイライナーやアクセス特急、1面を京成本線で使用すると、現状と同じく成田スカイアクセス利用者と京成本線利用者で改札口を分離できます。この運行形態を想定し、2面3線は中央1線を2つのホームが挟み込む構造とし、この1線のみ成田スカイアクセスと京成本線の両線に進出できる構造として図を作成しました。なお、現状のダイヤではスカイライナーが入出庫する際に京成本線方面に回送されるケースがあり、高架新駅でも同様の車両運用を実施する場合はスカイライナー用ホームから京成本線に進出できるような渡り線を設置する必要があるかもしれません。
図を見ていただく注意点として、高架ホームと地上ホームの分岐が現在の駒井野信号場と同じ位置に設置されるのかや、高架ホームへの連絡線が複線で建設されるかどうかについて、資料では判断できなかったので推測となります。また、東成田駅の2面4線の線路のうち現在旅客営業に使用されていない1面2線の処遇についても不明ですが、ここではそのまま非営業用に残されるとして記載しました。
概ね「最終とりまとめ」掲載の内容の通り、単線区間が複線化され、空港第2ビル駅が2面2線、成田空港駅が2面3線に拡張されたという図を作成しました。成田空港駅は現在は京成・JRあわせて3面5線の配線ですが、2010年に新設された1面1線部分は廃止し、現在京成が使用している島式ホームも片面のみ使用する形として2面3線の配線となるようです。
なお、JR成田線の複線化について、「東関東道交差部~成田駅付近」(「成田駅」ではなく「成田駅付近」)とあるため、成田駅構内のホーム~久住方面線路の分岐部までは現在の線路をそのまま活用し、その先を複線化する想定としています。また、空港第2ビル駅に隣接する第2ターミナルは今後廃止される方向ですが、ターミナル廃止後の同駅の処遇については不明です。
今回発表された壮大な構想は、以前記事で予想配線略図を公開した北総線の複々線化とともに、成田空港の機能強化に向けて不可欠な施策の一部です。今後もこの計画の行方を見守っていきたいと思います。
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