車両基地2

東京都交通局荒川電車営業所

東京都交通局荒川線(以下、都電荒川線)の荒川車庫前停留場には、東京都交通局の荒川電車営業所が隣接している。今回は「都電おもいで広場」や車庫奥のトラバーサーを調査した。

荒川車庫前停留場、荒川電車営業所配線略図
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荒川車庫前停留場 10:48

都電乗車のついでに荒川電車営業所を訪問するため、荒川車庫前停留場のホームに降り立ちます。車庫へ行く前に、ホームの近くにある片渡りが気になりました。以下、「三ノ輪橋側片渡り」と呼びます。

(荒川車庫前停留場ポイント)
三ノ輪橋側の片渡り
(荒川車庫前停留場ポイント)
転轍器をアップで

発条転轍器(スプリングポイント)ですが、よく見ると左右のトングレールが連動していない簡易型です。低速で両数も少ない路面電車にはよくある構造ですが、強度は大丈夫なのでしょうか。

(荒川車庫前停留場入出庫線)
三角線のような入出庫線

反対側を見ます。荒川電車営業所の車庫線は荒川線の線路と直角になっていて、入出庫線が三角線のようになっています(手前からそれぞれ「三ノ輪橋側引込線」「早稲田側引込線」)。入出庫線の先には降車ホームと渡り線(「早稲田側片渡り」)が見えます。構内に渡り線が2つもあるのは冗長なようにも思えますが、路面電車ではほとんどのポイントが分岐方向の固定されている発条転轍器なので、必要な設備です。

荒川電車営業所から出区する車両は、写真手前の三ノ輪橋側引込線から一旦三ノ輪橋方面の線路に入ります。三ノ輪橋行きの車両はそのまま直接発車しますが、早稲田方面行きはさらに三ノ輪橋側渡り線で転線しなければなりません。一方、早稲田方面から入区する車両は写真奥の降車ホームで乗客を降ろし、そのまま早稲田側引込線から入区します。三ノ輪橋方面から入区する車両はよく分かりませんが、一旦早稲田方へ引き上げてから早稲田側の渡り線と引込線を通るのでしょうか。

(荒川車庫前停留場ポイント)
こちらは電動式

三ノ輪橋側引込線のポイントも発条転轍器ですが、遠隔操作により電動で転換することもできる構造になっています。前述の入換ではこのポイントを電動で動かす必要はなさそうですが、早稲田側の引込線からは入線できる線路が限られるので、深夜など入庫列車が立て込んでいる場合にこちらの線路も使うのかもしれません。

都電おもいで広場 10:51

荒川電車営業所の正門前には2007年から「都電おもいで広場」が設けられ、都電の電車が保存されています。配線とは関係ありませんが、折角なので紹介したいと思います。

(都電おもいで広場5500形5501号)
5500形5501号

入口付近には、5500形が展示されています。5500形の中はギャラリーとなっていて、最盛期の写真や使用されていたサボなどが展示されています。中でも個人的に興味をひかれたのが、1950年現在の都電の電車案内図です。

(都電おもいで広場1950年路線図)
1950年時点の都電路線図

東京23区、特に山手線内を縦横無尽に走っていたことが分かります。こんな物を見せられては、こう言うしかありません。

“都電の配線略図を見てみたい!!”

まあそれも無理な話なので(というかこの複雑な線路を配線略図にまとめるのも至難の業だろう)、5500形のギャラリーをあとにします。おもいで広場にはもう1両、7500形も展示されています。ただし5500形にかなり接近しているため写真撮影は困難です。

(都電おもいで広場7500形7504号)
7500形7504号

荒川電車営業所 11:02

おもいで広場から出て、いよいよ車庫の調査に移ります。

(荒川電車営業所入口)
車庫入口
(荒川電車営業所入口)
線路は4線ある

引込線は、4本の入出庫線に接続されています。三ノ輪橋側の引込線は4線ともに繋がっていますが、早稲田方の引込線からは端の1本へのみ進入できます。

(荒川電車営業所6000形6086号)
6000形6086号

営業所の横を通り、車庫の裏へ向かいます。途中、留置線で保存(放置)されている6000形が柵越しに見えました。

(荒川電車営業所トラバーサー)
トラバーサー

さらに進むと、荒川電車営業所最大の特徴であるトラバーサーが見えました。狭隘な敷地に多くの電車を留置し、工場機能を置くためには不可欠な設備です。しかし、一方で車体長の制約のため、連接車が導入できない原因ともなっています。

車両が乗る主桁は2台あり、それぞれ工場線と入出庫線の位置に停まっています。トラバーサー内も各線路の延長上に架線が張られ、車両が自力走行できるよう工夫されています。

(荒川電車営業所トラバーサー)
主桁

営業所の裏側は背の高いコンクリート柵があり、撮影できたのはこの2枚でした。車庫の配線は三ノ輪橋側から工場線6本、入出庫線4本、洗浄線1本、留置線7本となっています。工場線も含めすべて電化されていて、電車が自走できます。

(荒川電車営業所工場・入出庫線)
工場・入出庫線
(荒川電車営業所留置線)
留置線

以上で荒川電車営業所の調査を終わりたいと思います。トラバーサーを中心とする配線は短編成の軌道ならではのもので、新鮮に感じました。なお、荒川線全線の配線略図は下のリンクからどうぞ。

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調査日
2013年11月23日
公開日
2014年2月22日