【なぜ】北柏駅の駅舎が巨大すぎる

【なぜ】北柏駅の駅舎が巨大すぎる

はじめに

北柏駅は常磐線柏~我孫子間にある駅で、各駅停車のみが停車します。乗車人員は1日15,052人(2020年)で、常磐線取手以南の各駅の中ではやや少ないくらいの部類に属します。駅前には閑静な住宅街が広がり、大変住みよい街だと思います。

北柏駅
北柏駅

この駅、駅舎は通常の橋上駅舎……と思いきや、本当の駅事務室は隣にあります。それがこちら。

北柏駅の駅舎
北柏駅の駅舎

敷地面積300平方メートル以上、3階建ての大きな駅舎が駅の横に鎮座しています。なぜこのような巨大な駅舎になっているのしょうか?

北柏駅の貨物取り扱い

もともと北柏駅は貨物駅として建設されました。1970年代に常磐線が複々線化された際、各駅に分散していた貨物取扱が金町駅、馬橋駅、北柏駅などに集約されました。このうち北柏駅は1970年に柏・我孫子両駅の貨物取扱を集約する形で貨物駅として開業しており、着発線4本、仕訳線6本、荷役線5本を備えた中規模の貨物駅となっていました(当時の配線略図は『配線略図で辿る首都圏の保線基地』に掲載)。しかし、鉄道貨物輸送の輸送量減少及びヤード集結型輸送の廃止のため、1984年に貨物取扱の廃止を余儀なくされています。

一方、1971年には貨物駅の一角に緩行線の旅客ホームが開業しており、貨物・旅客の両方を取り扱う一般駅となっています。1984年の貨物営業廃止以降も旅客の取り扱いは存続し、現在まで旅客駅の北柏駅として続いています。

常磐線配線略図(抜粋)
常磐線配線略図(抜粋)

このように、現在では緩行線のみが停車する旅客駅となっている北柏駅ですが、中規模の貨物駅として運転取扱、入換作業、荷役など多くの人員が配置されていた時期があるようです。これが、巨大な駅舎が建設された理由であるようです。

とはいえ、現在のような規模の旅客駅では3階建ての駅舎は不要です。表札を見たところ、駅事務室のほかに現在はJR東日本の訓練センター労組の事務所が所在しているようです。

「東日本旅客鉄道株式会社松戸総合訓練センター」の表札
「東日本旅客鉄道株式会社松戸総合訓練センター」の表札

貨物取扱設備の現在

貨物取扱設備の敷地は一部が保守基地に転用されているほか、大部分が線路がはがされて駅前ロータリーや空地となっています。この空地は柏市の「北柏駅北口土地区画整理事業」で再開発され商業施設や子育て関連施設が立地する計画となっていますが、1984年の貨物営業廃止から40年近く、2001年の事業認可からも20年が経過した本記事執筆時点で未だに事業者が決定していないようです。駅前ロータリーも、何とも言い難い殺風景なものになっています。

北柏駅の駅前ロータリー
北柏駅の駅前ロータリー
貨物駅の跡地
貨物駅の跡地

駅南方にある跨線橋を境に南側は再開発され、マンションが建設されています。こうなってしまうともう貨物駅の面影はありませんね。

貨物仕訳線跡地のマンション
貨物仕訳線跡地のマンション

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