【並行世界】JR北海道「42無人駅廃止」後の配線略図【になるといいのですが】

【並行世界】JR北海道「42無人駅廃止」後の配線略図【になるといいのですが】

はじめに

2023年6月17日、土曜日の朝から衝撃的なニュースが飛び込んできました。JR北海道が、計42駅の無人駅の廃止を検討しているとのことです。

路線名廃止検討対象
函館本線仁山、赤井川、山越、山崎、黒岩、国縫、中ノ沢、二股、目名、比羅夫
室蘭本線静狩、礼文、大岸
根室本線東滝川、厚内、尾幌、別当賀、昆布盛
石勝線滝ノ上
富良野線鹿討
宗谷本線瑞穂、日進、智北、初野、恩根内、天塩川温泉、咲来、筬島、佐久、問寒別、糠南、雄信内、南幌延、下沼、兜沼、抜海
石北本線愛山、瀬戸瀬、緋牛内
釧網本線茅沼、美留和、緑

42駅という数字はJR北海道の無人駅総数(238駅)の6分の1以上であり、さらに路線によっては特急列車の通過駅のほとんどが対象になっている区間もあります。この記事では、検討対象の駅が廃止された場合に配線略図がどのように変わるかをご紹介し、皆様のローカル線問題にまつわる議論の参考にさせていただきたいと思います。

なお、想定配線略図の作成は下記のルールに従って行っており、実際に駅が廃止された場合にこの図の通りになるとは限りませんし、JR北海道内部でどのように検討されているかを示す図でもありませんのでご了承ください。

  • 待避線・交換設備などがある駅は信号場化され、旅客ホームが撤去される以外の配線変更は発生しないものとします。
  • 待避線・交換設備などがない駅は削除します。

また、当たり前ですが現段階では廃止検討が報道されただけですので、まだ廃止が決まったわけではないことにもご留意ください。

函館本線

函館本線では10駅の廃止が検討されています。北海道新幹線開業の際に廃止となる可能性がある函館~小樽間から駅が選定されており、本記事では特に七飯~長万部間を取り上げます。

函館本線想定配線略図函館本線想定配線略図函館本線想定配線略図函館本線想定配線略図函館本線想定配線略図函館本線想定配線略図

全体的に信号場が多いのが目立つなか、とくに八雲~長万部間はすべての駅が廃止検討対象に入っています。この区間の駅には副本線があったり単線と複線の境界となっていたりする場合が多く、この図ではすべて信号場としました。なかなか衝撃的な図となってしまいました。

宗谷本線

宗谷本線も影響の大きい線区です。宗谷本線では16駅が対象に入っており、名寄以北のほとんどの特急通過駅が対象となっています。今回は永山駅より先の区間の図を作りました。

宗谷本線想定配線略図宗谷本線想定配線略図宗谷本線想定配線略図宗谷本線想定配線略図宗谷本線想定配線略図

あの長大な宗谷本線が、わずか5行になってしまいました。音威子府~稚内間は営業キロで130kmあまりあるにも関わらず、最後の2行に収まってしまいました

名寄以北で残る駅と駅間距離は次のようになります。

駅名営業キロ程駅間距離
名寄76.2-
智恵文91.215.0
美深98.37.1
音威子府129.331.0
天塩中川161.932.6
幌延199.437.5
豊富215.916.5
勇知236.720.8
南稚内256.720.0
稚内259.42.7

検討対象の駅がすべて廃止された場合、駅間が数十kmとなる区間が続出することになります。特に、天塩中川~幌延間の駅間距離は37.5kmとなり、石北本線上川~白滝間36.3kmを抜いて海峡線を除く在来線で日本一の長さとなります。また、名寄(W48)より先の駅ナンバリングはW51、W54、W61、W64、W72、W74、W77、W79、W80と欠番が続出することになります。

このような報道を受けて、読者の皆様はどのように思われるでしょうか。廃止検討対象とされた駅の中には駅舎を活用して観光資源になっている場所もあり、そのような駅が廃止となってしまうのは寂しいものです。一方で、日常的な鉄道利用者がほとんどない駅は廃止し、本当に必要とされている駅や路線を守っていかなければならないという考え方もあり、一朝一夕に解決できる問題ではありません。本記事が皆様にとってローカル線について改めて考えなおすきっかけとなれば幸いです。

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